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腎癌

目次

腎癌とは

医療従事者の間では腎細胞がんとも呼びます。
腎実質に生じるがんであり,腎盂がんとは異なります。
割合は、10万人に6人で、がん全体で1%を占めます。
40歳-50歳の若年層での発症も比較的多いがんです。

透析治療を行っている人も、腎がんを発症しやすいといわれています。
遺伝性疾患で腎がんになりやすい病気もあります。

症状

基本的に無症状です。
最近では健診や人間ドックで偶発的に見つかることが多くなってきました。

※進行すると背中の痛み,血尿が出ることもあります。

検査

尿検査

比較的進行がんで腎細胞癌が腎盂にまで浸潤したりすると血尿がでることがあります。

超音波検査

腎の腫瘤で,カラードプラーで血流が豊富なのが特徴です。
AMLとの鑑別が必要です。

造影CT検査

腎がんは血流が豊富なのが特徴ですが,単純CT(造影無し)では血流の有無を評価することが困難なため造影CTで血流の有無を確認します。

生検

腎の腫瘤に針を使って組織をとります。
基本的には,画像上明らかに腎がんの場合はがんが外にばら撒かれてしまうため,行うことがありませんが,鑑別の難しい場合(リンパ腫や,他のがんの転移)稀に行うこともあります。

治療

手術

腎摘出術

転移のない腎癌の第一選択です。
現在は腎がんの大きさによっては部分切除(腎癌だけをくりぬく手術)が主流になってきました。
ただし,腫瘍が大きい場合,血管に近い場合,血管に浸潤している場合,他の手術の既往がある場合などは部分切除が困難な場合があるため,こちらを選択します。

腎部分切除術

腎の実質内で,比較的早期の腎がんはこちらを選択します。
今はロボット手術が主に選択されますが,施設によっては,腹腔鏡,開腹で行うこともあります。
腎摘出術と比べると術後の腎機能は,比較的保たれます。

抗がん剤治療

腎がんは早期は無症状のため、検診をしていない方などは進行がんで見つかることがあります。
転移があると手術は基本的にはできないため抗がん剤治療が基本治療となります。

サイトカイン療法

人体には、がん細胞を攻撃するがん免疫機能が備わっています。
免疫の働きを活性化することで、がんを抑制する治療法です。
現在は多くの新しい治療の登場であまり使用する施設はありません。

分子標的治療薬
チロシンキナーゼ阻害薬

腫瘍の血管新生を阻害して腫瘍の増殖を抑えます。
ソラフェニブ、スニチニブ 、アキシチニブ、パゾパニブ、カボザンチニブの5剤です。
それぞれ,効果,副作用に違いがあり患者さん個々に合わせて使い分けていきます。

mTOR阻害剤

腫瘍細胞の増殖を抑制します。
エベロリムス、テムシロリムスの2剤があります。
次の免疫チェックポイント阻害剤の台頭で使用頻度は減ってきています。

免疫チェックポイント阻害剤

免疫チェックポイント阻害剤とは、本来持っているがん免疫の作用を高めることでがんの増殖をを抑える治療です。
比較的副作用が少なく,効果も高いため,最近,よく使われるようになりました。
ただ,薬の値段が高額なため,医療費の増大が今後考えられます。

ニボルマブ、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、アベルマブの4剤があります。
各種腫瘍の免疫を阻害する受容体を阻害し,癌に対する免疫作用を高めます。

PD-1阻害

ニボルマブ,ペムブロリズマブ

CTLA-4阻害

イピリムマブ

一次治療

イピリムマブ+ニボルマブ併用療法
ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用療法
アベルマブ+アキシチニブ併用療法

2次治療

ニボルマブ単剤 (※1次治療からは使えません)

副作用

免疫を高めることで自己免疫疾患を引き起こすことがあります。
投与前に,甲状腺,副腎ホルモン,間質性肺炎のマーカーなど事前にとることをお勧めします。
下痢や,皮疹が出ることもあります。

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