高尿酸血症
目次
高尿酸血症とは~ビールの飲みすぎ~
体内に尿酸が溜まると高尿酸血症になります。
プリン体が増えると、尿酸という物質に変わって尿から排泄されます。
この尿酸の産生過程で血管に大きな酸化ストレスがかかります。
キサンチンオキシダーゼ活性過剰
この酸化ストレスは血管を傷つけることで動脈硬化を促し、心筋梗塞や脳梗塞、腎機能低下などの組織障害を引き起こします。
痛風は高尿酸血症によって引き起こされる代表的なもので,足の親指の周りが突然赤く腫れて痛み出し、激痛で歩けなくなります。
高尿酸血症を長く放置すると腎結石や,痛風腎といって腎不全に陥ることもあります。
原因
- 激しい運動
- アルコール(特にビール)
- 生牡蠣,いくら,うに,レバーなどの海産物
最近では,痛風丼なるものが,よくテレビでおいしそうに放送されてるのを見かけます。ご褒美のときぐらいにしましょう。 - ストレス
検査
- 採血
尿酸値を測定します。 - 超音波検査
腎結石の有無を確認します。
治療
飲み薬
- 尿酸を作らないようにするもの
- 尿酸を尿からたくさん体外に出すもの
があり,後者の方が,尿酸値を下げますが,結石のリスクが増加しますのでよく相談して使いましょう。
痛風の治療
痛風の治療は、まず発作時の痛みをとるため非ステロイド性抗炎症薬を使います。
食事療法
プリン体を多量に含む食品を避けること、過食をやめること、および多量の飲酒(とくにビール)を控えることです。
結石を予防するために、2L以上水分をとることをお勧めします。
痛風は贅沢病といわれています。足が,風にあたるだけで激痛が走り
歩けなくなるぐらいの経験したことのない痛みが待っています。
一度食生活を見直し,一緒に治していきましょう。
治療
高尿酸血症
高尿酸血症の治療ですが、2種類の薬剤があります。
どちらも血中の尿酸を下げますが、「尿酸を作らないようにするもの」と「尿酸を尿からたくさん排泄させて体外に出すもの」とがあります。
尿酸を排泄させるものの方が、より尿酸を下げる効果がありますが、腎結石の既往がある方には使いにくく(尿中の尿酸が高くなり結石ができやすくなるため)、当クリニックでも2種類を患者さんの既往に応じて使い分けています。
ただし、無症状の高尿酸血症に対しての積極的な薬物治療は日本と違い米国ではあまり推奨されておらず、意見の分かれるところです。 当クリニックでは、無症状の方には超音波検査での腎結石のスクリーニングを積極的に行っています。
近年、利尿効果のある高血圧の薬によって高尿酸血症になる方が多くなっています。血圧の薬を飲んでいる方は定期的な血液検査が必要と考えます。
痛風
痛風の治療としては、痛風発作時の痛みをとることを優先します。 非ステロイド性抗炎症薬を短期間、痛みがなくなるまで使います。 急速に尿酸値が低下すると、逆に痛風の発作を増悪させることがあるため、関節痛発作時は尿酸降下剤を新たに始めたり、増量したりは基本的にはしません。
食事療法
この病気は予防としての食事療法が重要です。
具体的には、プリン体を多量に含む食品を避けること、過食をやめること、および多量の飲酒(とくにビール)を控えることです。
プリン体が多い食品には、レバー/あん肝などの肝臓、うに/白子などの卵巣や精巣、かにみそなどの内臓、いくらなどの魚卵があげられます。鶏卵を気にされる方が多いようですが、鶏卵にはほとんどプリン体は含まれていません。
肉類もよく気にされますが、肉類も一般にプリン体を多く含むのですが、尿酸は調理過程で水に溶け出て行ってしまいますので、肉類を生でたくさん摂取しなければ、それほどプリン体を摂ることにはなりません。ビールは多量のプリン体を含有しており、アルコール過量摂取でも尿酸値の上昇の原因となります。
尿路の結石を予防するために、1日の尿量が2L以上となるように水分を十分にとることをお勧めします。