腎盂がん・尿管がん
目次
腎盂・尿管がんとは
腎盂腎杯~尿管下端までに発生する腫瘍です。90%が膀胱がんと同じ尿路上皮由来の移行上皮癌です。尿の流れの通り上,膀胱癌の併発,続発が多いのが特徴です。
50-70代多く見られ,高齢者に多く治療の選択が非常に大切です。
原因
- 化学発癌物質の暴露
- タバコ
- コーヒー
- 人工甘味料
- 医薬品(シクロフォスファミド,クロルナファジン,フェナセチン)
があります。
症状
- 無症候性血尿 (80%以上)
- 側腹部痛 (30%)
- 側腹部腫瘤 (10%)
- 排尿困難,頻尿,排尿時痛 (膀胱がんの併発が有る場合)
検査
尿検査
血尿を認めます。
感染を伴えば膿尿を認めることもあります。
尿細胞診,NMP-22
上記が陽性であれば,可能性が高まります。
CT
- 水腎症の有無
- 造影剤によるdefectの確認
- MRI
- 腫瘍の進達度
- リンパ節転移の有無
膀胱鏡
- 尿管からの血尿の有無
- 膀胱がんの有無
尿管鏡
- 尿管腎盂の腫瘍の有無
治療
手術
腎尿管全摘術が第一選択です。
※尿管がんの場合,尿管部分切除術を行う場合もあります。(表在性腫瘍で,下部1/3の尿管腫瘍,腎機能低下例など)
放射線
腎盂,尿管がんは放射線感受性が低いため,手術ができない症例や,血尿を抑えるためなどのときに行います。
抗がん剤治療
癌の転移がある場合は,抗がん剤治療を行います。
基本的にはGEM(ジェムシタビン)+CDDP(シスプラチン)を使います。
最近では,免疫チェックポイント阻害薬も使われ始めております。
腎盂,尿管がんはまれな疾患で,進行も比較的早いとされております。
ただし,早期発見すれば,根治する可能性が十分にあり,痛みのない血尿がでたら,すぐに泌尿器科に受診しましょう。