精巣腫瘍
目次
精巣腫瘍とは
精巣に発生する腫瘍で90%が悪性で10%が良性(ライディッヒ細胞腫,セルトリ細胞腫)です。
悪性はセミノーマ,非セミノーマに分けられます。
- セミノーマ(50%)
- 非セミノーマ
- 胎児性がん(20%)
- 奇形腫(5%)
- 絨毛癌(2%)
- 卵黄嚢腫(0.2%)
- 複合混合型
30%でリンパを介して,リンパ節や肺に転移をします。
20-40代,乳幼児にピークがあり,10万に1-2人といわれています。
症状
- 無痛性の陰嚢腫大
- 疼痛(10%)
転移のある場合
- 腹部腫瘤
- せき,血痰
- 神経症状
- 女性化乳房
稀ではあるが後腹膜,縦隔腫瘍のみの burn-out tumor
検査
超音波
精巣の石灰化,不均一像
レントゲン
肺の転移の有無
CT,MRI
全身転移,リンパ節転移の評価
腫瘍マーカー
LDH(乳酸脱水素酵素)セミノーマのマーカー
AFP(α―胎児タンパク)胎児性がん,卵黄嚢腫
β―HCG 絨毛がん(100%),胎児性がん(60%)セミノーマ(10%)
※半減期
AFP 4-6日
HCG 24-48時間
精巣摘除後,上記の期間で下がらない場合は転移を疑います。
治療
高位除睾術
癌の再発,播種を防ぐため,陰嚢側から切開せず,足の付け根から切開します。
精索(精管,精巣動静脈)をしばり,その後精巣を摘出します。
手術時間は1時間が目安です。
放射線
セミノーマ I期 ⅡA期
抗がん剤
1次治療;BEP療法 (ブレオマイシン,エトポシド,シスプラチン)
2次治療;VIP療法 (エトポシド,イホスファミド,シスプラチン)
セミノーマⅡA~Ⅲ
非セミノーマ ⅡA~Ⅲ
後腹膜リンパ節郭清術
非セミノーマⅠ,ⅡA
臨床病期1では,ほぼ100%の生存率であり(curable malignancy)早期発見が重要です。
精巣がなんか大きくなってきた,なんか硬いなあ,そういうことがあれば,ご相談ください。