前立腺肥大症
目次
前立腺について
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱の真下にあり、尿道を取り囲んでいます。前立腺は膀胱の出口を開閉することで排尿や射精の調整を行っています。
前立腺肥大とは?
前立腺肥大症とは,前立腺が肥大することで,尿道,膀胱を圧迫し多くの排尿障害を引き起こす病気です
前立腺体積は加齢に従って増加し,80歳代では約90%にみられます。
前立腺肥大症は男性ホルモンに関係するとされており、加齢と共にホルモン環境の変化が起こり、前立腺結節が肥大すると考えられています。
症状
- 尿勢低下: 尿の勢いが弱い
- 頻尿 : 尿をしてから少ししてまたz尿がしたくなる
- 夜間頻尿: 夜間に尿意で何度も目が覚める
- 尿意切迫: 急な尿意で尿を我慢できない
- 残尿感 : 尿をした後も尿が残っている感じがある
前立腺肥大の検査
- 国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score: IPSS)は前立腺肥大症の症状の重症度を判断する際に役立つ指標です
- 腹部超音波
前立腺の大きさを調べ,残尿がないかを調べます。 - ウロフロメトリー
尿の勢いを調べます。 - PSA
前立腺肥大は前立腺癌の腫瘍マーカーが高いこともあり,前立腺癌との鑑別も必要です。
※前立腺が大きいからといって必ずしも症状が出るわけではなく,逆も然りで,小さくても症状が出る方も中にはいらっしゃいますので十分な,検査,問診が必要となります。
前立腺肥大の治療とは?
薬物療法
- α1遮断薬
- 前立腺や尿道を緩めることで、尿を出しやすくする薬です。
- 5α還元酵素阻害剤
男性ホルモンを減らすことで、肥大した前立腺を小さくする薬です。内服することでPSA値が減少しますので、注意が必要です。
※通常この薬を内服している方は,PSAを約2倍で計算します。最近ではAGA治療でこの薬を飲まれている方がいますので,十分な問診が必要です。
PDE5阻害剤
2014年から発売されている比較的新しい前立腺肥大症の治療薬です。PDE5という酵素のはたらきをブロックする事で下部尿路の血管を拡張させて血流を増やし,筋肉を緩めることで、尿が排出しやすくなります。また内服している方は定期的な残尿測定が必要です。
手術療法
- 経尿道的前立腺切除術(TURP)
前立腺を内側から電気を通したループで削る手術です。昔から行われている標準的な治療です。術後の出血に注意が必要です。 - 経尿道的前立腺核出術(TUEB、HoLEP)
前立腺の内側をくり抜き、膀胱の中で細かくした後,体外に取り出す手術です。比較的,前立腺肥大の中でも大きい場合に行います。 - 光選択的前立腺レーザー蒸散術(PVP)
当院と連携している茨城医療センターでは、2023年2月より、前立腺肥大症治療のための、GreenLightを用いたPVP(光選択的前立腺レーザー蒸散術)を開始しました。(茨城県での導入は初)
この治療法は、従来から行われている手術療法と比べ、出血が少ない、術後のカテ-テル留置や入院期間が短いなど、身体への負担が少ない治療方法です。
当院院長も自ら毎週,茨城医療センターでPVP手術をサポートさせていただいておりますので,ご希望の方はお気軽にご連絡ください。
GreenLightについて
PVPでは、膀胱鏡を用いて肥大した前立腺へアプローチし、高出力緑色可視レーザ光を照射して、前立腺組織を加熱・蒸散させることで閉塞を取り除きます。
PVPに用いる532nmの緑色可視レーザ光は血液中のヘモグロビンに選択的に吸収され、効率的に肥大した前立腺の腺腫を蒸散させることができるため、出血のリスクが少なく、抗凝固剤(血液さらさらにするお薬)使用下においても服薬を休止等せずに安全に施行することが可能です*1(推奨グレードA)。
血液さらさらのお薬を飲んでいて,手術ができないといわれた。
高齢で手術ができないといわれた。
このようなに手術がなかなかできなくてお困りの方はご連絡ください
boston scientific URL
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/health-conditions/bph-top/pvp/PVP-02.html